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「神々のたそがれ」 [*映画]




原作:ストルガツキー兄弟『神様はつらい』
※邦訳は、太田多耕訳『世界SF全集24 ゴール、グロモワ、ストルガツキー兄弟』
(早川書房/1970年)所収
監督:アレクセイ・ゲルマン
脚本:アレクセイ・ゲルマン/スヴェトラーナ・カルマリータ
2013年/ロシア/モノクロ
2015年7月10日(金)、下高井戸シネマにて鑑賞。


とある惑星の都アルカナル
中世ルネッサンス期を予感させたこの星に
地球から調査団が送り込まれた
この地で人間は、
神の如く崇められた———

地球より800年ほど進化が遅れ、知識人狩りが行われた異星都市が舞台のお話。
177分もの上映時間に加えて、途方もない悪夢的事象の連続。
もうね、終了後はぐったりです…。
原作タイトルは『神様はつらい』。観終わって、その題の意味にいたく納得。
神様でいることはつらい。
そしてこの映画に相対した時、観客でいることもまたつらい。
また、難解は難解でも、知性とか高尚さとはまるっと無縁な方向の難解っぷり
ああ久々に凄く疲れる映画(貶し言葉ではない)だったな。

あっでも、この映画を観た翌朝、なんと体重減ってたんですよ。
思わぬ形でダイエット効果が!!!
・・・てなわけで、ワタクシの中では
ある意味ハラショー(!??)な映画なんですけどね(笑)。

製作期間15年。
ストルガツキー兄弟の小説にインスパイアされたゲルマン監督
13年間にわたり製作に従事。
…が、完成を目前に控えた2013年2月21日、サンクトペテルブルクにて心不全により死去。
享年74歳。
以降は、ゲルマン監督の妻、スヴェトラーナ・カルマリータ
彼らの息子、アレクセイ・ゲルマン・ジュニアによって完成へと導かれたそうです。

映画版だけだと、出来事や背景に対する説明とか情報がものすごく少ないため、
一回観ただけじゃかなりわかりづらいけれど、ストーリーは存在する。
(私は、劇場用パンフ内の原作・映画双方の流れを並行的に追った解説
 通読することで、一応なんとか補完…したつもり)
でも、これはストーリー映画というよりは、
ある観察者による「記録と報告」という方が近い感じがしました。
登場人物がちょいちょいカメラ目線になるから、
一体誰の視点なんだろう?…と、しばし考え込んでしまった。

アレクセイ・ゲルマン・ジュニアのインタビューによると、
この映画には、コンピューター・グラフィックスの類はほぼ全く使われていないのだそう。
あそこまで作り込もうとする監督のエネルギーには恐れ入る。

それと、みていて唯一笑ってしまったセリフ(字幕)は「空気読め」
この映画、画面内を絶えず誰かがうろちょろ動き回ってたり、
トンチンカンな斜め上発言する者もわんさかいて(当然会話は噛み合ってない)、
みてる側の私もずーっと同じこと思ってたんだけど、
登場人物の一人がホントにトートツにこのセリフを吐いたもんだから…(笑)。
もともとのロシア語セリフがそうなっていたのか、
日本語字幕担当の人が意訳でそうしたのかはわからないけど…吹いた。

ちなみに、劇場用ポスターの白い花の下に隠された「あるもの」や、
トレーラーでもみることができる、ドン・ルマータが顔に塗りたくっていた「液体」
映画をみるとこれらの正体がわかるんだけども、軽く卒倒できるよ!(笑
 
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▼下高井戸駅近くにあるカフェ コロラドにて
シナモンクリームワッフル&ブレンドコーヒー
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アレクセイ・ゲルマン DVD-BOX

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  • 発売日: 2011/09/22
  • メディア: DVD
 

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