読んだ本、あれこれ箇条書き【2】 [*読書ノート(海外&国内)]
前回の記事の続きです。
ここ数ヶ月は有名どころSF小説をメインに読んでました。
SFも興味あり!とか言ってる割には、これまでに読んだ本も映画も量はまだまだヒヨッ子レベル…。
なので、もっとSF系のライブラリを増やさねば、みたいなちょっとした目標が自分の中にあります(今後も細々と実行予定…)。
●アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』
最初はただ単純に、支配する側(オーバーロード〈遥かに高度な知能と技術を有するエイリアン〉)と支配される側(人類)のストーリーと思っていたけど、読み進めていくうちにオーバーロード達の真の目的、そして実は彼らも抗えない深い悲しみを抱えていたことがわかります。
あのラスト…切ないような戦慄が走るような何ともいえない気持ちになりました。読み終えた後、改めてタイトルの意味を考えると呆然とします。
もっと早く読めばよかった。
●レイ・ブラッドベリ『火星年代記』
SF小説でこれを名作にあげる人は本当に多い!ってな位、有名な作品ですよね。遅ればせながら私もようやく読みました。
短編集でありながら、一つの深い長編作品。火星に進出する人類、そして消えゆく火星人たちの姿と文明が描かれています。
残酷で狂気めいてる時があり、かと思えば滑稽な時もあり、また風刺的でもあり…。色々な想像力を掻き立ててくれる(と同時に考えさせられる…)刺激的な作品でした。しばらく時間が経ってからまた読み返したいと思います。
もっと早く読めばよかった。
●ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
これも超有名なSF小説ですね。途中ハラハラするシーンもあったけど、全体的にラブリーさを感じる作品でした。
登場人物の中で、ピート(護民官ペトロニウス。主人公の相棒猫)とリッキィ(フレドリカ。主人公のかつての親友・マイルズの継娘)の人気が高い!というのは掲示板やブログなどの書評で知ってたけど、本編読んでその理由がよくわかりました。ピートもリッキィも登場シーンそのものは少ないけど、とても魅力的に描かれてるんですよね。
特に勇敢で気高いピートのファンになりました! もしうちで牡猫を飼えるとしたらピートって名付けたいくらい。
「彼(ピート)は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。」
「だが彼は、どんなにこれ(失望)を繰り返そうと、夏への扉を探すのを、決して諦めようとはしなかった。」
↑特に好きな文章です。ああ、いいなあ。
もっと早く読めばよかった。
…以上です。
ちなみに今は、カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』を読んでいて、残すところあと30ページ程。なんか泣きそう…。
あと、今手元に溜め込んでる積ん読本…
●ロートレアモン伯爵『マルドロールの歌』
●小川未明『小川未明童話集』
●カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
●クラフト・エヴィング商會
『クラウド・コレクター』『すぐそこの遠い場所』
●トム・ゴドウィン他『冷たい方程式』
(↑ハヤカワ文庫から出てるSF中短編集)
●レイ・ブラッドベリ『ウは宇宙船のウ』
毎度のことですが、読んでみたい本があり過ぎて(欲張り過ぎて)、読むスピードより買う&借りるスピードの方が上回ってしまってます(笑)。
『マルドロールの歌』なんてもう1年位前から積みっぱなし……。
読んだ本、あれこれ箇条書き【1】 [*読書ノート(海外&国内)]
久々に読書感想ネタで記事を書いてみたいと思います。
直近の記事は『サキ短篇集』で終わってるので、とりあえずそれ以降に読んだ本の話から。
…といっても、合間でゲーム(モンハンとか立体ピクロスとかDQ9とか。どれも一度やり出したら止まらない)に熱中してたり、他の趣味に没頭してたり、家のことや仕事のことで何やかんやあったりもしたので、冊数は少ないのですが(^^;
●大海赫(おおうみ あかし)
『メキメキえんぴつ』(児童書)
『ドコカの国にようこそ!』(児童書)
2冊とも近所の図書館で借りたもの。
長らく絶版状態だったそうだけど、多数の要望に応えて復刊ドットコムから復刊されています。
一度見たら忘れられなくなりそうな独特な(でもカッコいい!)イラスト、児童書にしてはかなりブラック寄りなお話の数々。
これは確かに子供の頃に読んだらトラウマになりそう…。
でも私も子供時代に出会ってみたかった気がします。
●エミール・ゾラ『居酒屋』
まず、読んでる間、真っ先に頭に思い浮かんだ言葉は「だめんず・うぉ〜か〜」…。でもこれだとあまりにも乱暴すぎる感想か。
19世紀パリの下層階級における貧困かつ悲惨な人間群像を描いた長編作。人間の落ちぶれていく様をあからさまに描き切っているのが凄いし切なくもなる。
死にもの狂いで家族のために働き続ける主人公の洗濯女・ジェルヴェーズを取り巻く男ども(ランチエ、クーポー)がとにかく酷い。小説の登場人物を本気で殴りたいと思ったのは雫井脩介の「火の粉」に出てくる俊郎以来だよ…。
終わり方もまた凄まじく忘れられない一冊となりました。
●荻原浩『噂』
都市伝説と化した、ある「噂」を中心に繰り広げられるサイコ・サスペンス小説。「ラストの1行が衝撃的!」みたいな紹介のされ方だったので、その1行を知りたいがためだけに読みました。
読み始める前に勝手に期待して意識し過ぎたせいなのか、実際ラストを読んでも物足りないような気がしてしまったけれど…(←あくまで私にとっては、です)。
でも内容自体はとても面白く、ぐいぐい読ませてくれました。
●有島武郎『一房の葡萄 他四篇』
「一房の葡萄」。主人公である「僕」の西洋絵具に対する強い憧れと若い女性教師を慕う気持ち、そしてその女性教師が葡萄の一房をもぎ取り、大理石のように真っ白な手に乗せてる辺りの描写に思わずドキドキしてしまいました。想像しただけでも美しくて、あぁもう!って気持ちになります。
この記事は、次に続きます。