ひとり美術館ハシゴ【33】 [*アート鑑賞]
6月14日(金)は、
損保ジャパン東郷青児美術館、Bunkamura ザ・ミュージアムに行って来ました。
●損保ジャパン東郷青児美術館で「オディロン・ルドン」展を観る
(ぐるっとパスを利用)
↓
*山手線で新宿駅から渋谷駅まで移動。
↓
●Bunkamura ザ・ミュージアムで「アントニオ・ロペス展」を観る
(ミューぽん割引を利用)
…と、今回はこんな感じの流れで2館を回りました。
■ 損保ジャパン東郷青児美術館 ■
「オディロン・ルドン — 夢の起源 —」
特に興味深く鑑賞したのは、
第2部『「黒」の画家 — 怪物たちの誕生』で紹介されていた石・銅版画集。
最近、ちょうど押見修造の「惡の華」アニメみたり原作読んだりとかしてるから、
ボードレールによる同題詩集の挿絵として制作された銅版画集
(「版画集『悪の華』」〈1890年〉)の展示が自分的にタイムリーだったというのもあり。
他にも、「石版画集『夢のなかで』」(1879年)、
「石版画集『エドガー・ポーに』」(1882年)、「石版画集『起源』」(1883年)、
「石版画集『ゴヤ頌』」(1885年)、「石版画集『夜』」(1886年)、
「石版画集『夢想(わが友アルマン・クラヴォーの思い出のために)」(1891年)
…といった数々の白黒世界の中で展開される怪奇と幻想のイメージに引き込まれました。
〈※「石版画集『起源』」のうち3点は複製写真(参考資料として)展示〉
ルドンは印象派の画家たちと同じ世代でありながら
印象派の感覚的であるだけの世界に不満を持っていたそうで、
敢えて色彩を排し白黒の版画を制作し続けた。
内面を重視し、夢想の世界を描き続けた。
ルドンが「黒」を放棄し、「色彩」の世界に専念するようになったのは、
50歳を過ぎてからとのこと。
展示作品を順に追いながら、
どうして彼がそのような変貌を遂げたのかを想像しながら観る。
何かどこかで気持ち的に転じるきっかけがあったのかな。
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■ Bunkamura ザ・ミュージアム ■
「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展」
現代スペイン美術を代表する作家アントニオ・ロペス。
マルメロを描く作家自身の姿を撮った映画「マルメロの陽光」(監督:ビクトル・エリセ/
1992年制作)は、日本でも公開され話題になったそうだけど、
私は今回の個展で初めて彼の名前を知りました。
どんなアーティストか知っておきたくて興味をもった次第。
ルドンとはまた違った見応えあって良かった。
目にした瞬間のインパクトがどうこうというのはないんだけど、
しばらく経ってから思い出すとジワジワくるな…みたいな。
静謐さが心地よくてずっと眺めていても飽きないですね。
アントニオ・ロペスは、
制作開始から10年を経てもなお絵筆を加えるほど
作品にじっくり時間をかける画家だそうで、
その制作姿勢は、あたかもモチーフの実質を少量ずつ絵筆にのせて
画面に移しかえていく作業を続けているかのよう。
(↑この辺のくだり、解説からの受け売り;)
そういった表現の仕方が鑑賞後しばらく経ってから
観る者の気持ちにジワジワ迫ってくるのかなあ…と思ったり。
展示作品の中では、
特に「グラン・ビア」(1974-1981年/上にアップしたチラシ写真2枚目の方に載ってる絵ね)
が気に入りました。
「室内の人物」(1967年)も良かった。
あ、それと、Bunkamuraの企画展行く時は
東急本店のここのディスプレイ覗くのも楽しみのひとつなので
いつも写真撮って帰るんだけども、
この角度で撮るとどうしてもドンキの看板がガラスに映り込んじゃうんだよなあ・・・
せっかくオサレなのに! けど・・・まあ・・・(・ε・)キニシナイ!!
▼グッズもステキ♪