ひとり美術館ハシゴ【38】 [*アート鑑賞]
2月7日(金)は、
東京都美術館、東京国立博物館、国立科学博物館に行って来ました。
●東京都美術館で「世紀の日本画」展(前期)を観る
(ぐるっとパスを利用)
↓
*徒歩で移動
↓
●東京国立博物館 平成館で「クリーブランド美術館展」を観る
(ぐるっとパスを利用)
↓
*徒歩で移動
↓
●国立科学博物館で「シアター36○」、「砂漠を生き抜く」展を観る
(ぐるっとパスを利用)
…と、今回はこんな感じの流れで3館を回りました。
■ 東京都美術館 ■
「日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画」(前期)
この後に行くトーハク「クリーブランド美術館展」とのコラボにあたる
『日本美術の祭典』のひとつ。
伝統を踏まえながらも新しい日本画を創出、未来に繋げる道を指し示すことを理念として、
岡倉天心を中心に創立された日本美術院。
実験的な描法に非難が集まり、一旦は休止状態となるものの、
天心(1913年没)の一周忌を期して大正3(1914)年に再興される。
今年(2014年)でちょうど再興100年を迎えることを記念し、
草創期から現在まで院展を彩った近代日本画の名品が一堂に会する特別展。
今回の展示会でピカイチだったのはなんといっても、
平山郁夫「祇園精舎」(1981〈昭和56〉年)!!
深い森の中で、金色の光とともに浮かび上がってきたかのような
釈迦と弟子たちの姿がなんとも神々しくて。
近くに寄ったり、後ろにさがって遠くから眺めてみたりと、
しつこく長く見入ってしまいました。離れがたい絵。
今村紫紅「熱国之巻より『熱国之朝』」(重要文化財/1914〈大正3〉年)は、
日本画のイメージと全くかけ離れた南国ムードが面白い。
それに、色もタッチも全てが可愛らしいのよね。
見たままの風景を写しとるのが「風景画」。
…といっても、ここに展示されている日本画は、
どこか山水画に通じる「こころの風景」といえるものにもなっているようです。
奥村土牛「閑日」(1974〈昭和49〉年)。
猫の可愛らしさに癒されます。ほんの少し黒みがかった赤の色味具合も好みです。
可愛いといえば、
小茂田青樹「虫魚画巻」(1931〈昭和6〉年)の蛙、金魚や鯉たちも微笑ましかったな。
また、暗闇に描き出された蜘蛛とアザミの桃色がかった紫とドクダミの白のバランスが
幻想的で美しかった。
展示作品は前期と後期で総入れ替えされるそうなので、後期も行けたら行きたいなあ。
「世紀の日本画」鑑賞後は、館内1階の「M cafe」で休憩。
マロンモカケーキとアイスコーヒーをいただきました。
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■ 東京国立博物館 平成館 ■
「クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美」
この前に行った都美館「世紀の日本画」展とのコラボにあたる
『日本美術の祭典』のひとつ。
アメリカ・オハイオ州にあるクリーブランド美術館は、
中世ヨーロッパ美術や東洋美術などの大コレクションを有する総合美術館。
中でも日本の美術品においては全米屈指の規模と質を誇り、
所蔵品の数は約2000点にものぼるそうです。
そのクリーブランド美術館から日本美術コレクション約40点が里帰り。
これらに西洋絵画を合わせた総数約50点を紹介する今回の『クリーブランド美術館展』。
ここでは「人と自然」が共存する日本絵画独特の物語世界を伝えるとともに、
平安時代から明治時代に至るまでの日本絵画の優品を概観。
また、西洋の人物画・風景画では、
日本とは異なる「人と自然」の表現をみることができます。
全体的に落ち着いた色合いの作品たち。
中でも印象に残ったのは…
●窪 俊満(くぼ・しゅんまん)筆「唐美人図」(江戸時代・18〜19世紀)、
●雪村周継(せっそん・しゅうけい)筆「龍虎図屏風」(室町時代・16世紀)。
渡辺始興(わたなべ・しこう)筆「燕子花図屏風」(江戸時代・18世紀)は、
無背景の金地が地面にも見えるし、大気にも見える…。
燕子花の花の色や葉の色とのコントラストも美しいです。
そして、西洋画の章からは、
大好きな画家のひとり、アンリ・ルソーの「トラとバッファローの戦い」(1908年)。
幻想的な密林はルソーの想像の産物。
ルソーらしい、この色鮮やかな緑がとても大好きなのです。
最後の章にあたる山水画も素晴らしかったです。
神仙たちが暮らす深山や桃源郷といった、
高潔な精神性を表わす場所を描き出すことに大きな意義を見出す山水画。
眺めているだけで静謐な気持ちになれるのは、
その精神性が見る者にも伝わってくるからなのかな。
鑑賞後、チラシ置き場を覗いてみたら、
貰いそびれて悔しいままだった「Kawaii 日本美術」展(山種美術館)のチラシを発見!
レイアウトも色使いもやっぱり可愛い♪
ありがたく1枚頂戴しました。ラッキー。
それと、平成館2階にあるミュージアムショップで可愛いグッズを見つけたので
いくつかお土産に購入。
★写真・左上★
「切り絵タグ付 役者が揃った TEA BAG」(煎茶ティーバッグ6個入り)
切り絵タグは、助六、侍、忍者、芸者、十二単、相撲の6種類。
▼パッケージも切り絵も可愛い〜♪
お茶好きな人へのちょっとしたプレゼントにも良いかも。
★写真・右上★
「ポスカホリック」
展覧会のチケットや記念に買ったポストカードなどをこのポスカホリックにまとめれば、
アートなオリジナル・アルバムの出来上がり☆
コレ、以前から気になってたんだけど、
今回『日本美術の祭典』プロジェクトオリジナルのポスカホリックが新たに登場!
…とのことで、お試しで1冊買ってみました。和紙風な表紙と色使いも気に入ったし。
▼基本は1作品につき4ページ構成で12作品分。
最初のページに作品名/作家名/場所/日付を記入し、
次のページの台紙入りPPポケットにポストカードを収納する
★写真・下2点★
ポストカード
そして、鑑賞した中で特に気に入った絵のポストカードも2枚購入。
アンリ・ルソー「トラとバッファローの戦い」(1908年)と
渡辺始興筆「燕子花図屏風」(江戸時代・18世紀)
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■ 国立科学博物館 ■
「THEATER 36○(シアター・サン・ロク・マル)」
「砂漠を生き抜く —人間・動物・植物の知恵—」
金曜日で運良く20時までの開館だったので、せっかく来たことだし寄ってくことに。
★★★「THEATER 36○(シアター・サン・ロク・マル)」★★★
科博に行った時は必ず寄る「THEATER 36○」。もう大好き!(笑)
科博に入館してすぐシアター入口に向かったら、ちょうど上映開始直前だったので、
そのまま入場&鑑賞。
今回の上映内容は『恐竜の世界』と『宇宙137億年の旅』。
★★★「砂漠を生き抜く —人間・動物・植物の知恵—」★★★
(日本館 1階)
砂漠という過酷な環境を生きる人間や動物、植物の姿が紹介されています。
たくさん並べられた世界各地の砂漠の砂コレクションはとても綺麗。
あと、海(紅海)を渡るラクダたちというのが意外だった。
ラクダってやっぱり砂漠を歩くイメージの方が強いし。
他にも、コーヒータイムに使われる食器・調度品類や
砂漠の生活に適応できるよう工夫された衣服・帽子類の展示もありました。
ナツメヤシの詳しい説明・用途・写真・実物の果実の展示もあり。
私たちの知らない砂漠での暮らしの様子が、様々な面からわかりやすく解説されていて、
とても面白かったです。
この後、余った時間で日本館1階南翼の「自然をみる技」で
天球儀とか地震計とか時計などを見学して終了。
今回も時間的な都合で日本館の他フロアや地球館には寄れなかったけど、
また行くと思うので、その時はゆっくり回りたいなあ。
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この日の夜は、BS日テレで「ぶらぶら美術・博物館」を観ました。
(帰宅前に買い物とかしてたので最初の15分くらい見逃しちゃったけど><)
ちょうど今回行った都美館「世紀の日本画」展特集!タイムリー!
自分が実際に観た美術展が取り上げられていると、より一層面白く楽しめます♪
番組中、単眼鏡(ギャラリースコープ)使ってるのみて欲しくなってしまった。