「蠅の王」 [*映画]
●監督:ハリー・フック
●原作:ウィリアム・ゴールディング
●1990年/イギリス
2014年6月11日(水)11:45〜13:30、イマジカBSにて視聴。
ゴールディングの原作は3年くらい前に読んだけど、映画で観るのは今回が初めて。
この小説はこれまでに2回映画化されていて、
ピーター・ブルック監督による1963年版と
ハリー・フック監督による1990年版とがあるそうです。
今回観たのは1990年版。
アメリカ陸軍幼年学校の生徒たち(原作では、未来における大戦のさなか、
イギリスから疎開する少年たち)を乗せた飛行機が海に墜落した。
とりあえず一命を取り留めた少年たちは、近くの無人島へ漂着する。
年長のラルフ(原作ではラーフ)が最初にいくつかの約束事を決めたものの、
何にも縛られない自由な島の中で少年たちは次第に秩序を乱すようになり、遂に分裂。
獣性にめざめ、野蛮な狩猟隊まで結成したジャック側につく仲間が増える一方、
ラルフは孤立無援となっていく…。
理性と秩序を失い、
心に巣食う狂気を剥き出しにした人間の愚かさと恐ろしさを追究。
原作の方は、
少年たちの心情や仕草が丹念に描かれていて、
彼らを取り巻く大自然についての描写も詩のように美しく細やかだっただけに、
あとから映画を観ると、どうしても端折ってる感と内容の薄さが気になっちゃって…。
(映画版オリジナルの追加要素はあるけれど…機長とか)
特に、サイモンという少年が「蠅の王」と対話する場面は、
ある意味、この物語のクライマックスだと思うので、
せめてコレだけでも省かないで欲しかったなあ…。
この話を映像化するのなら、90分という尺はあまりにも短過ぎたんだな。
…で、最後がものっっっすごくトートツで唖然とするような終わり方なんだけど、
あまりにもアレなもんだから、逆に印象深くなってしまったというオマケつき。
コレはコレで(ラストだけは)割と好みかも。
それと、少年たちの熱演が良かった。
秩序を重んじる理性的な主人公、ラルフ役のバルサザール・ゲティ、
残忍な狩猟隊のリーダー、ジャック役のクリス・フュール、
裏の主人公(?)、サイモン役のジェームズ・バッジ・デール。
みんな美少年だったね。
ピギー役のダニュエル・ピポリーも可愛かった。