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「桐島、部活やめるってよ」 [*映画]




監督:吉田大八
2012年/日本
5月13日(火)09:40〜11:30、チャンネルNECOにて視聴。


ネットで人様の感想読む限り、観る人によって好き嫌いは分かれるようだけど、
私は「邦画」でこういう、観終わった後に何とはなしに反芻しちゃうような映画、好きだ。

同じ日の同じ出来事を、登場人物の視点ごとに変えて何度も反復しながらストーリーは進んでいく。

リア充がいて、キョロ充がいて、非リアがいる。
学校内カースト上位の「桐島」がバレーボール部を辞めることで、彼らの間に広がる波紋。
要所要所で、登場人物ひとりひとりの心がチクチク・ザワザワする感じ
(セリフで説明するのではなく)絶妙なニュアンスで描いている。
女子同士ならではのめんどくさ〜い空気感、微妙な一触即発状態(笑)も織り交ぜつつ…。
ここいら辺、観た人同士でちょいといろいろ語り合ってみたくなる。
野球部のキャプテンくんも良い味出しててよかった。

最後20分の屋上で起こる、ある出来事
とらえ方によって笑えたり、泣けたり。最高!
役者さん、全員良かったけど、沙奈ちゃん役の子、演技上手いね。
半笑いで「ちょっとやめなよ!」のとことかスゴイわ…。


『だから結局、出来る奴はなんでも出来るし、
 出来ない奴はなんにも出来ないってだけの話だろ』
『お前それ出来る側だから言えるんだぞ。そんな残酷なこと』

…が、ぶすりと刺さる。それでも、

『戦おう、ここがオレたちの世界だ。
 オレたちはこの世界で生きていかなければならないのだから』

*********************************************

ところで、この映画で監督さんと一緒に脚本を手掛けた喜安浩平さん
どこかで名前みた記憶が…と思ったら、テニプリ海堂くん役とかやってる声優さんだったのね。
マルチに活動されている方なんだなー。


桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

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  • メディア: DVD


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伊藤計劃「虐殺器官」【2】 [*読書ノート(国内)]

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 作者: 伊藤 計劃
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 文庫

フィクションながらも〈文法〉〈テクノロジー〉の在りように戦慄。

これを読み始めたばかりの時に書いた記事でも触れたけど、
『2001年宇宙の旅』
『頭文字D』(←直接的な表記はないけど、ファンならすぐわかるアレが登場)
『ジャクソン・ポロック』
…と、ワテクシ的にビビッとくるワードが序盤から散りばめられてるもんだから、
趣味趣向がかなり似てるかも!と作者氏に勝手ながら親近感

そんなとっかかりのおかげもあって、最後までぐいぐいと読めちゃいました。

中盤以降も、
『J・G・バラード』
『リドリー・スコット』
『リゲティ』(現代音楽作曲家。前述の「2001年宇宙の旅」でも彼の曲が使われている)
『テリー・ギリアム』
…などなど、
これらのワードに何かしら響くものをお持ちの方は思わずニヤリとしちゃいそうですね。

近未来SF軍事ものなので特殊な用語が多用されているものの、
文章自体は読みやすく頭の中にスラスラ入ってくる感じ。
また、文庫版の最後に収録されている解説
および伊坂幸太郎氏小島秀夫氏のコメントにもあるように、
「語り口の繊細さ」もこの小説の魅力のひとつだと思います。
ただならない殺伐としたタイトルに違わず、
主人公のクラヴィス・シェパード大尉はじめ登場人物たちも
圧倒的な現実の中でエライことになっちゃってるんだけど、
細やかで淡々とした一人称の語り口で終始貫かれている。
このズレ感がフックとして良い意味で利いていて、倍面白いと感じました。

ネタバレしたくないからあんまり書けないけど、ラストの感想は「マジかよ・・・」でした。

2015年の劇場アニメ化、どんな作品に仕上がるのか楽しみ。

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