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中島らも「こどもの一生」 [*読書ノート(国内)]

【※この日記は別サイトで2009年1月19日にアップしたものを転記しています】

 

こどもの一生 (集英社文庫)

こどもの一生 (集英社文庫)

  • 作者: 中島 らも
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫

 

昨年の12月10日から読み始め、12月20日読了。

 

故・中島らも氏の作品を読むのは今回が初めて。

この「こどもの一生」は、もともと劇団「賣名行為」へのプレゼントとして書かれた舞台脚本を後から小説化したものだそうで。

 

(以下、内容紹介文より)

瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男2人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女2人、男1人の患者(クライアント)がいた。5人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。3分の2は笑いに溢れ、最後の3分の1は恐怖に引きつる。鬼才・中島らもが遺した超B級ホラー小説。

 

最初の3分の2は、上記の内容紹介にもあるようにギャグ混じりの展開で、途中吹き出しそうになりながらサクサク読める。

中でも、クライアントの1人・三友(複数の会社を経営する社長。性格極悪な中年オヤジ)のセリフ回しが一番可笑しかった。粘着質な鬼畜っぷりで、読んでる間は超ムカつくんだけど(笑)。

 

そして、あるシーンを境にストーリーは急変。

こども達(クライアント)が作り上げた架空の人物「山田のおじさん」が何故か実体化して全員の目の前に現れた瞬間から、セラピー施設と小島の中は一気に惨劇の舞台に…。

 

残りの3分の1は、まるでジェットコースターのようなクルクルとめまぐるしい展開で、気づいたら一気に読み切ってしまっていた。

ホントに怖かったよ〜。でも面白かった。

そして、終盤に差し掛かる頃に初めて表紙のイラスト(薄暗い空にドッジボールが浮いている)の意味がわかる!

 

ちなみに読後、検索で調べてみたところ、この「こどもの一生」は何度か舞台公演化されていて、98年に渋谷パルコ劇場で上演された舞台では、古田新太さんが「山田のおじさん」役を演じていたとのこと。他にも中村有志さんや生瀬勝久さんなど、自分がイイなと思う俳優さん達が出演していたと知って思わずテンション上がってしまった。

 

うう、今更遅いけど…生で舞台を観てみたかったよう!!


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