寮 美千子「ノスタルギガンテス」 [*読書ノート(国内)]
【※この日記は別サイトで2008年11月15日にアップしたものを転記しています】
11月5日に読み始め、11月10日読了。
まず、表紙が美しい。緑の森の写真で色が綺麗。装丁にも拘ったのかな。
この本が置かれていたのは児童文学書コーナーだけど、内容は大人向けの小説…というか、現在大人である自分達が子供だった頃の記憶や思いを呼び覚ましつつ、そっとひとりで読んでおきたい物語という位置づけな気がする。
内容は、とあるシティに住む主人公の少年のお話。
いつもヒステリーを起こしてはあらゆるものを処分し続けるママに夏休みの工作展のために作ったメカザウルスを燃えないゴミとして無理矢理捨てられてしまう。
でも、主人公にとってメカザウルスは「特別」だったからどうしても諦めきれない。
そこで主人公は、あいつ(メカザウルス)にふさわしい場所を探し求め、仲間うちで「隠れ家の木」と呼ばれる木の高い高い部分にあいつをくくりつけることを思いつく。
だが、そのことをきっかけ(?)に主人公の身の周りで奇妙な現象が次々と起こり始める。
(以下、裏表紙側のオビより)
『だけど、ぼく、そんなつもりじゃなかった。こんなことになるなんて思ってもみなかった。ぼくのせいだろうか。そうかもしれない。最初のひと滴を落とすのが神だとしたら、そして、そのひと滴から宇宙が生まれるのだとしたら、ぼくはきっとその神だ。……たとえぼくが、そんなつもりじゃなかったとしても。そう望まなかったとしても。』
この一文にも震えるんだけど、他にもぐっとくるような言葉の選び方や繋げ方にとにかくシビレてしまう。素敵だ、寮美千子さん。
ちなみにヴィレッジヴァンガードでは「唯一無二の廃墟系児童文学」と大絶賛で紹介されてます。
…あ〜ホントはもっと感想的なことをいっぱい書こうと頑張ったんだけど、ボキャ貧なため、何度書き直しても陳腐で的外れな文章になってしまう…
とにかく素晴らしい本であることは間違いないので、「興味が湧いたらぜひ読んでくれ!」としか書けない自分。
【11月15日追記】
この日記を書き終えて、UP前に「ノスタルギガンテス」で検索かけてみたら、この本について、全く同じではないけど部分部分で同じような内容を書いていらっしゃる方を発見! 当然、私の拙文よりその方の方がずっと的確でレベルも高い。
一瞬どうしようか迷ったけど…慌てて書き直すのも余計アレなのでこのままあげちゃおうと思います(決してその方の文を真似たわけではないです…と言い訳(^^;)。
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