新井素子「グリーン・レクイエム/緑幻想」 [*読書ノート(国内)]
【※この日記は別サイトで2008年10月19・27日にアップしたものを転記しています】
新井素子の名前はずっと前から知っていたものの、実際に作品を読んだのは本当に最近だったりする。初めて読んだ「ひとめあなたに…」が気に入ったので、2冊目はこの本を選んでみた。
子供の頃からSF好きだった夫は、中学生ぐらいの時にこの作品も読んだことがあると言ってたけど、読む楽しみが減ってしまうので、感想はまだ聞いてない。
で、読んだのはまだほんの30ページくらい。
が、序盤の序盤でいきなりジャブが!!!
(以下、本文より抜粋)
『あたしは慌てて水を運ぶ。きゃん、あたしのドジ。いくらピアノに熱中してたからって、お客がはいってきたのにも気づかないなんて。』
『きゃん、あたしのドジ』
………。……………。
…いやいやいや、ま、まだつっこまないぞ。
この作品は、ストーリーが泣けるって聞いてるから絶対最後まで読む。
でも時代を感じる言い回しだ。80年代ネタ・昭和ネタ大好物な自分としてはこういうフレーズにも目がないんだけどね。
なんでもこの作品は、作者が大学在学中(1980年)に発表されたのだとか。
もしかして30代後半の今より、中高生時代に読んでおくべき小説だったんだろーか?…と思いつつも、新井素子ワールドを楽しんでみたい。
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最初の『グリーン・レクイエム』の方は、SFというよりほぼ100%ラブストーリー。
子供の頃に迷い込んだ山奥の洋館での不思議な出会い、植物、音楽(ピアノ)、許されざる恋、悲しい結末…とお話のイメージとしては私も好きな世界。
でも、文体がかなり独特だし、何よりも「てにをは」省略されまくりだから、話の流れを理解するのにちょっと時間がかかってしまった。
ラストには泣いたよ。
これ読んだのがまだ中高生の頃だったら、もっとわんわん泣いてたかな。
ただ、主人公とヒロインの会話がやっぱりちょっと…。
「魚さん、ぱく」「お、あっち。ざりがにだぜ」
読んでるうちにこっちがこっ恥ずかくなってきて、一人で部屋を何度も転がったわ。
一番のヒットはやっぱり「きゃん、あたしのドジ」。
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続編の『緑幻想』の方は、全部つまんないってことはなかったけど…途中で引き込まれる場面は幾つかあったけど…今のところは「一回読んだらもういいや」というのが正直な感想かな。
(新井素子ファンの方、もしこれ読んでたらごめんなさい)
…とはいっても、『グリーン〜』の時に描かれた愛とはまた違って、大きな意味での「愛」がテーマとして取り扱われていたり、「植物と人類の関係」など現在の地球の環境問題ともリンクするようなエピソードもあったりして、なかなか考えさせられる部分が。
なので、少なくとも「読まなきゃよかった」という風には思っていないです。
新井素子の作品は、まだ読んでみたいものがいくつかあるので、時間をおいてまた本屋か図書館でチェックしてこよう。
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