「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」 [*アート鑑賞]
4月6日(月)は、
東京都庭園美術館で開催中の
「東京都庭園美術館開館30周年記念展
幻想絶佳:アール・デコと古典主義」に行って来ました。
終了間際、滑り込みセーフ!
アール・ヌーヴォーに人々が退屈し、
ドイツやオーストリアから新しいデザインの潮流が押し寄せてきた1910年前後、
フランスの装飾美術界では自らの伝統に立ち返った「新様式」を模索する動きが生まれました。
その下敷きとなったのは、
彫刻家ブールデルや画家のモーリス・ドニ、アンドレ・ドラン、
そしてピカソらも新しい可能性を見いだした古典主義でした。
第一次世界大戦によって約10年も実施が遅れたアール・デコ博覧会は、1925年にようやく開かれ、
アンリ・ラパンら装飾美術家協会による《フランス大使館》と
リュールマンの《コレクター館》では、
モダンに洗練された古典主義のアール・デコ様式として成熟した姿を現します。
1933年に建てられた朝香宮邸でも、内装デザインを担当したアンリ・ラパンは
静謐さと祝祭性、優雅さと安らぎの両面を表現するためにこのスタイルを選択しました。
本展はアール・デコにおける朝香宮邸の位置づけを明らかにしながら、
古典主義のアール・デコ作家たちの豊かなイマジネーションから生まれた世界—幻想絶佳—を、
フランスの美術館所蔵品を中心とした33作家による
家具、磁器、銀器、ガラス、ドレス、絵画、彫刻など、80余点の作品から紹介します。
(『幻想絶佳:アール・デコと古典主義』チラシの紹介テキストより抜粋)
朝香宮邸は、
フランスを発祥とするアール・デコの遺産のなかでもたいへん優れた作例。
今回の展示では、その空間を活かし、
アンサンブル展示の要素も取り入れながら
当時のサロンや博覧会で行われた生活空間、美意識を再現するよう
美術作品を配置しているとのこと。
また、新館のギャラリーでは、
両大戦期間に活躍したパリ国立美術学校(アカデミー)出身者を中心とした
画家・彫刻家たちの作品が紹介されています。
この後、早稲田松竹で映画を観る予定で、
上映時間に遅れないよう、やや駆け足な鑑賞になっちゃったけど、
そんな中で特に惹かれた絵画は…
●ジャン・デュパ『パリスの審判』(1923年/油彩画)
それと、新館ギャラリーで展示されていた、
●マックス・アングラン『四季』(1930〜1945年頃/大きな油彩画)
●ロベール・プゲオン『イタリアの幻想』(1928年/油彩画)
…も素晴らしかった。
家具&調度品の展示も素敵。
アール・デコを代表する鉄工芸家レイモン・シュブによる、
アンリ・ラパンをオマージュしたアンサンブル、●『ラパンの食卓』。
古代と南国のエキゾティシズムを融合させたジャン・デュパの絵画『射手』
(1931年/インク、パステル、水彩)からのインスピレーションによる
妃殿下のティー・タイムのセッティング、●『デュパのティー・タイム』。
2階にある書庫の窓から見える桜、綺麗だった!
新館のカフェ、満席で入れなかったのは残念!
▼館内で唯一撮影OKだった『デュパのティー・タイム』
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