「フューリー」 [*映画]
●監督・脚本・製作:デヴィッド・エアー
●2014年/アメリカ
2014年12月14日(日)、池袋HUMAXシネマズにて鑑賞。
ブラッド・ピットが製作総指揮&出演を兼任。
滅びゆくナチス・ドイツがなりふり構わぬ抵抗を繰り広げる戦争末期、
一輌の米軍戦車がたった24時間の中で直面する出来事に焦点が絞られている。
ミリタリー好きの夫いわく、
現存する、世界で唯一駆動可能なティーガー(ドイツ軍の重戦車)を
映画でみれるのはかなり貴重なのだそうで。
ティーガー登場時の重厚感と最強感、
そして、恐怖感と絶望感は確かに圧巻ものでした。
ドイツ軍の考える戦車の理想像を追求し、
一品ものの工芸品のように緻密に作られたティーガー。
対するシャーマン(アメリカ軍の中戦車)は、
アメリカ人の実用主義・実際主義に裏打ちされた、合理的で実用第一の量産品。
戦車ひとつ取っても、両軍それぞれの全く違った考え方がうかがえるのも興味深いです。
ストーリーの方、
個人的にはそう悪い内容ではなかったと思うけれど、ネットでみる限り賛否両論の模様。
戦争映画は、どの国の観点から描くかで随分と違ってくるだろうし、
この映画の場合、まあ…どうしてもアメリカ目線になっちゃうしね。
ネタバレになってしまうので細かくは書けないけど、
「あるもの」をほのめかす俯瞰ショットで幕を閉じるラストはとても良かったと思う。
それと、劇場用パンフ掲載のインタビューにあった、
ブラッド・ピットのコメントも印象的だったな。
「この業界は人を、特に若い役者を混乱させる。
使い捨てが激しいので、役者としての技術を磨く時間も与えられない。
だから冷静な判断力が要されるし、いい助言者がいた方がいい。
いつどういう時に “NO” と言うべきかの判断が大事なんだ。
この業界で “NO” という二文字には絶大な力がある。
ただ、言えるようになるまでに時間がかかるけれど。
自分を守らなきゃならない時もあるんだ」
物語の背景は、1945年4月、第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線の終結4週間前。
ドイツに侵攻して熾烈な地上戦を展開する連合軍の中に、
砲身に “FURY(フューリー=激しい怒り)” とペイントが施された
一輌のM4中戦車シャーマンがあった。
アフリカ戦線からフランス、ベルギーを転戦してきたフューリーは、
〈ウォーダディー〉の異名を轟かせるドン・コリアー軍曹の巧みな指揮のもと
度重なる激闘を勝ち抜き、今なお奇跡的な進撃を続けている。
そんなフューリーに生じた欠員の穴埋めとして配置されたのは、
戦闘経験が一切ない18歳の新兵ノーマンだった。
ウォーダディーと3人の部下に手荒く迎えられ、
おそるおそるフューリーに乗り込んだノーマンが目の当たりにしたのは、
この世のあらゆるルールやモラルが通用しない戦争の悲惨な現実。
やがて行く先々に隠れ潜むドイツ軍との戦いが待ち受けるその日、
想定外の事態によって戦場で孤立したフューリーの乗員たちは、
わずか5人で敵の精鋭部隊300人を迎え撃つという絶望的なミッションに身を投じていく…。
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