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「ピクニック at ハンギングロック」(若干ネタバレ含むヽ(´ー`)ノ) [*映画]


映画『ピクニック at ハンギングロック』
先月、中古で入手したDVD(ディレクターズ・カット版)をようやっと鑑賞。
〈鑑賞日:11月8日(金)〉

・・・なんだなんだ。この説明できない、後を引く奇妙な余韻は。
得体の知れない、見えない恐怖というか。
結局、真相がわからないまま迎えるラストも静かに怖い。

失踪してしまった少女のひとり、「ボッティチェリの天使」ミランダ
まるで光輝く妖精のような美少女。
風に揺れる柔らかい金髪も真っ白なドレスも眩し過ぎて…ヤバイな!
彼女の美しさもこの映画における最大の魅力のひとつですね。

『ある晴れたピクニックの午後、美しい少女たちが姿を消した———』
1900年の2月14日(聖ヴァレンタインの日)。
オーストラリアにある名門寄宿制女子学校の生徒たちが
女教師に引率され、ピクニックへと出掛けた。
目的地は、郊外の岩山「ハンギング・ロック」
昼下がり、生徒の中の数人が火山の隆起で出来上がった岩山の探検に出掛けたが、
彼女たちと、ひとりの女教師が忽然と姿を消してしまうのだった———。
やがて、その中のひとりだけが傷だらけとなって発見されたが、
彼女は他の生徒たちのことも教師の行方のことも何ひとつ覚えていないという…。
「ピクニック at ハンギングロック」DVDパッケージ裏・ストーリー紹介テキストより)

少女たちが消えるまでのシークエンス中、
「おや?」と小さくひっかかるシーンとセリフが多数ある。

ピクニックへ出掛ける日の朝、呟くように「私も長くはいないわ」
 友人セーラに語るミランダ
少女たちの乗った馬車がハンギングロックに着くと同時に
 岩山の周囲を激しく飛び回る鳥の群れ。尋常じゃない。
なぜか12時ピッタリで止まる時計
岩山の上を異様に早く流れる雲

他にも色々あるんだけど、これらは何かしらの暗示であるようにも思えるし、
意味深なようで実は物語の本筋とは関係なさそうにも取れるし。

美しいけれど、どこか不安げな音楽もやたらと耳に残るのです。

少女たちと先生の突然の失踪は、
神隠しなのか不慮の事故なのか誘拐・暴行殺人事件なのかすらわからない。
(これを観るほぼ全ての人は、自然の神や霊的なものに対する畏怖・畏敬の念から
「神隠し」と解釈するだろうけど)
理由が全く不明なこの失踪譚だけでも恐ろしいんだけども、
その一方で、事件をきっかけに徐々に崩壊していくアップルヤード女学校校長先生
そして、孤児・セーラが最後に行き着く救いのない悲劇も忘れられない。
生き別れの兄・アルバートの夢の話がまた泣けるんだ…パンジーの花…)

最後の最後まで謎は明かされぬまま。
なんと怖くて悲しくて、なのに美しく甘い魅力にドキリとしてしまうのだろう。

また、この映画では随所に登場するクラシカルでロマンティックな小物づかいや
背景も女の子ゴコロを甘〜くくすぐってくれます。
可愛らしい絵や写真の入った綺麗なカード
水を張った洗面器に花を浮かべて顔を洗う少女
白とピンクの聖ヴァレンタイン・ケーキ
踊るように揺れるレースとリボン etc…
うーん、いいなあ。
40過ぎても主婦になっても、こういうの見るとついついトキメイちゃうんですよねえ。

いやあ、評判に違わぬ傑出の作品でした。
謎だらけの映画だけに一度観ただけじゃわからない部分も多々あったんで
コマ送り再生したり、前と後を行ったり来たりしたり、
考察サイト&ブログを漁って片っ端から読み耽ったり。

気づくとすっかり明け方近くになってしまった次第。


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