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「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」 [*アート鑑賞]

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4月17日(金)は、
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
『ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美』展に行って来ました。

15世紀、花の都フィレンツェでは、
メディチ家をはじめ銀行家の支援を受け、芸術家が数々の傑作を生み出していきました。
サンドロ・ボッティチェリ(1445〜1510)の美に代表されるフィレンツェのルネサンスは、
フィレンツェ金融業の繁栄が生み出した文化遺産といえます。

本展では、
ヨーロッパの貿易を支配し、ルネサンスの原動力となった金融業の繁栄と、
近代に通じるメセナ活動の誕生を、
フィレンツェと運命をともにしたボッティチェリの作品17点(工房作などを含む)をはじめ、
絵画、彫刻、工芸、資料など約80点によって浮き彫りにします。 
『ボッティチェリとルネサンス』チラシの紹介テキストより抜粋)
【※メセナ:企業が主として資金を提供して文化、芸術活動を支援すること。
ただし、企業による資金以外の経営資源(人材・施設等)による支援も少なからず行われている。
また、企業による事業主催なども含まれる。】 

絵画だけでなく、〈美〉を支えた〈富〉にも焦点が当てられている今回の企画展。
中世から初期ルネサンス時代にかけて国際通貨となり、
フィレンツェヨーロッパ経済の中心に押し上げ、
ひいてはルネサンスの繁栄を生み出した「フィオリーノ金貨」をはじめ、
当時の経済活動をうかがわせる資料や商人の仕事道具も紹介されています。

ルネサンス期の芸術の誕生には、
地中海貿易と金融業によって財を成したフィレンツェ及びメディチ家の資金力が不可欠。
そのメディチ家から絶大な信頼を得ていたボッティチェリは、
彼らの要望を満たす作品を生み出す理想的な画家であり、
女性を清らかに描くことで、「清廉な印象を持たれたい」金融業者の期待に応えたといいます。

イタリア政府の「門外不出リスト」に登録されている、
サンドロ・ボッティチェリ『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』(1477〜1480年頃)は
「トンド」と呼ばれる円形画(5月6日までの期間限定展示)。
とっても色使いが綺麗で、この絵が一番気に入りました。

マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写『両替商と妻』(16世紀半ば)と、
『高利貸し』(1540年頃)。
ついこないだ、どっかで観たような…と、帰宅後調べてみたら、
『ルーヴル美術館展』(国立新美術館)で観た、
クエンティン・マセイス『両替商とその妻』(1514年)だった。
『高利貸し』の方は、同じく『ルーヴル美術館展』で観た、
マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写による『徴税吏たち』(16世紀)ね。
マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレの作品は、
クエンティン・マセイスアルブレヒト・デューラーの影響を強く受けていて、
3つの題材「両替商(もしくは銀行家)とその妻」「収税人」「書斎の聖ヒエロニムス」
描いたものがほとんどなのだそう。

やがて、メディチ家の衰退とともにフィレンツェは危機の時代を迎えます。
この頃、修道士ジロラモ・サヴォナローラが台頭。
彼は教会の堕落を批判し、市民に贅沢品や宗教上好ましくない芸術作品を燃やすよう
《虚栄の焼却》への参加を呼びかけ、多くの芸術家がその作品を燃やしました。
が、極端な神権政治の末に民衆の反発を買ってしまったサヴォナローラ
最終的には火刑に処されます(1498年)。
ここでは、
フィレンツェの逸名画家による『サヴォナローラの火刑』(17世紀)も展示されていて、
華やかだった歴史の果てを、ただ見ているだけの傍観者になったような気分。
言葉が見つからなかったです。

一方、サヴォナローラの考えにすっかり魅了されたボッティチェリ
作品は変容し、人物表現は硬くなり、官能性も消えてしまいました。
そして、人気も急落。
最期は貧窮し、負債を抱えたまま死去してしまったようです。

イタリア・ルネサンスと聞くと、美しく理想的な美のイメージが強いけれど、
今回は〈美〉と〈富〉と同時に在った
歴史の〈光〉と〈闇〉の二面性についても考えさせられる…
そんな展覧会でした。

最後は、グッズを(展覧会前売り券とのセットで購入)。
美術ブログ『弐代目・青い日記帳』さんhttp://bluediary2.jugem.jp/)発信の企画、
「みんなが欲しいチケットホルダープロジェクト」から生まれたチケットホルダー
表面には、
ボッティチェリ最盛期の巨大なフレスコ画《受胎告知》(1481年)より
天使ガブリエルの翼白百合が。
そして、右下にはフィオリーノ金貨もあしらわれています。
ちなみに裏面は、同じく《受胎告知》がノートリミングでレイアウト。
落ち着いた色合いと大人っぽいデザインがイイ感じ。
 
ボッティチェリ_チケットホルダー.jpg 

▼Bunkamura内ロビーラウンジにて、イチゴのクレープ&アイスコーヒー
館内鑑賞チケット提示で優待割引[るんるん]
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東急本店のディスプレイ。
Bunkamuraの企画展行く時の楽しみのひとつ。 
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