「五人少女天国行」 [*映画]
●原題:出嫁女
●監督:ワン・チン
●原作:イエ・ウェイリン
●1991年/中国・香港映画
2013年12月20日(金)鑑賞。
20年位前にメスカリン・ドライヴの伊丹英子さんが
「忘れられない」とコメントしていた映画『五人少女天国行』。
私もそのコメントを忘れられず頭の隅っこにいつもそのタイトルがあったんだけど、
先月とうとう密林でDVDポチっちゃいました。
ここのところちょくちょく映画DVD買ってるなあ…今年は映画の秋?(って観たのは12月だけど)
中国・雲南省南部の少数民族居住区の小さな村。
ここでは「嫁入り前のもっとも美しい時に首を吊って死んだ乙女は、
白い鳩になって天国の花園に飛んでいける」という伝説が広く知られていた。
物語は、封建的因襲が色濃く残るこの村に住む、仲の良い5人の少女をヒロインに語られる。
肺を病んだ男と無理矢理結婚させられることになったミンタオ(明桃)、
父権性社会ゆえ自分の古稀を祝う宴席にすら出られない祖母の姿に
自分の未来を見るアイユエ(愛月)、
間男をしたと一方的に責められ殴打される兄嫁を目の当たりにするフーシアン(荷香)、
赤ん坊を優先したがために難産の末に亡くなった姉の代わりとして
義理の兄と結婚させられることになるクイチュアン(桂娟)、
そしてお告げをもたらす仙女に「花園に行くにはまだ若い」と諭される
無邪気でお芝居好きのチンメイ(金梅)。
5人の少女たちそれぞれの想いを、雲南地方の豊かな自然のなかにゆったりと描き出しながら、
解放以前、封建制がいまだに強い地方社会の風習とその問題点を、じわじわと炙り出しにしていく。
(『五人少女天国行』DVD特典「シネフィル・パンフレット」内の作品解説より抜粋〈一部書換え〉)
男尊女卑は当たり前。
この村社会に生きる限り、女は自由を謳歌することも結婚相手を選ぶことも許されない。
現実世界に絶望しか見いだせない彼女たちは、
お揃いの紅い服を着て、天空の花園に行くことを誓い合う。
ストーリーはまったくもって悲愴なのに、
どこかあっけらかんとした空気のまま終始する、不思議な後味の映画だった。
あのラスト・・・少女たちの望みは果たして・・・???
<エンタメ・プライス>五人少女天国行Chujia nu [DVD]
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- メディア: DVD
コメント 0