SSブログ

ひとり美術館ハシゴ【32】 [*アート鑑賞]

5月24日(金)は、
ニューオータニ美術館東京国立近代美術館三菱一号館美術館に行って来ました。

ニューオータニ美術館「ジャパン・ビューティー」展を観る
ぐるっとパスを利用)
 ↓
*赤坂見附駅から丸ノ内線で大手町駅へ。東西線に乗り換えて竹橋駅へ。
 ↓
東京国立近代美術館「フランシス・ベーコン展」を観る
ぐるっとパスを利用)
 ↓
*竹橋駅から東西線で大手町駅へ。千代田線に乗り換えて二重橋前駅へ。
 ↓
三菱一号館美術館「奇跡のクラーク・コレクション」展を観る
三菱一号館美術館“アフター6”割引を利用)

…と、今回はこんな感じの流れで3館を回りました。


 ニューオータニ美術館 
「知られざるプライベートコレクション
ジャパン・ビューティー 描かれた日本美人」(後期)

ニューオータニ美術館_01.jpg

ニューオータニ美術館_02.jpg

美人、すなわち美しい女性を描くことは、日本美術の長い歴史における重要なテーマの一つです。
このジャンルで活躍した近代の日本画家たちは、
技法や形式において伝統を継承しながらも革新的な表現を模索し、多様な人物表現を試みました。
明治、大正、昭和初期に絶大な人気を博した「美人画」に注目し、
三大巨匠と謳われる上村松園鏑木清方伊東深水の作品をはじめとする約80点を、
前期・後期に分けて展観します。
日本の四季、風俗、歴史、文学に着想を得た女性表現の多様性と、
その姿に託された理想美をお楽しみください。
(ニューオータニ美術館・オフィシャルHP内
「ジャパン・ビューティー」紹介テキストより抜粋)

最終日ギリギリ滑り込み。後期しか観られなかったけど、行って良かった!
ここの美術館、平日昼間は比較的空いてて静かに鑑賞できるところが気に入ってるけど、
会期終了間近なせいなのか今回は混んでたな〜。

…にしても、マナーの悪い高齢者グループは何とかならんのか。
デカい声でわめくように喋りたてるわ
(↑耳が遠くなったりと年齢的に仕方ないのかもしれないけど、
絵と全く関係ない話題ばかりなのでさすがにイラッときた)、
「ガラスケースに手を触れないでください」って注意書きあるにもかかわらず
思いっきりケースによりかかり、おまけに指紋ベタベタ残してるのもいるわで呆れるばかり。
お年寄りの方すべてがお行儀悪いとは思わないけど、
美術館にくるとあまりにもこの手の高齢者に出くわすことが多いので…疲れる!

愚痴で失礼。話が逸れたけど内容!

貴重な初期の作例でもある、
上村松園「美人観月図」(明治25年頃〈c.1892年〉)を鑑賞できたのも嬉しかったし、
他にも、鏑木清方高畠華宵竹久夢二など好きな画家の作品がいっぱい!

そしてそして、いっちばん嬉しかったのは橘小夢の絵を2点も観れたこと!
「日本のビアズリー」
艶やかな微笑み、妖しいまでの魅力、悩ましげな肌の白さ…どこを取っても堪りませぬ。
しやわせ〜♪

特に気に入った作品は…
高畠華宵「桜下舞妓」「合わせ鏡」(2点ともに昭和に制作)、
初夏の湿った空気感が伝わるような鏑木清方「初夏の雨」(昭和に制作)、
橘小夢「すずみ」(大正末期〜昭和に制作)・「化粧」(大正〜昭和に制作)。

四季折々の絵の中で女性たちが身につける着物や帯の柄は
研究して細やかに描きあげられ、
化粧中の姿や酔っている姿は
まるで私生活を覗き見するようなドキドキ感を味わわせてくれます。

また、美人画メインの企画展やってほしいな

ニューオータニ美術館_03.jpg

******************************************

 東京国立近代美術館 
「フランシス・ベーコン展 ピカソと並ぶ美の巨匠。没後アジア初の回顧展」

フランシス・ベーコン展チラシ_01.jpg

フランシス・ベーコン展チラシ_02.jpg

フランシス・ベーコン展チラシ_03.jpg

東京国立近代美術館_01.jpg

東京国立近代美術館_02.jpg

前々から気になってはいたけど、彼の絵を生でじっくり観るのは今回が初めて。
彼の大規模な作品展、
日本で開催されるのは1983年の個展以来で実に30年ぶりだそうです。
こっちは「ジャパン・ビューティー」展以上に混雑してた〜。

ガラス張りのケースの中に展示される彼の絵をみて
最初「映り込みあってみづらいな〜」と思ったけど、
これはベーコン自身の意図を反映した展示法なのだそう。
解説によると、
『ほとんどの作品について「ガラス+金縁の額」という仕様の額装を指示していた。
ガラスの独特の存在感がみる人と絵の間に「隔たり」を生むことを好んでいた』
とあります。
なるほど、「敢えて」なのか。

また、彼の作品は、近くで観るのと少し遠く離れて観るのとで
それぞれ違った味わいが感じられるように思いました。

1940年代から亡くなる直前までの作品、30数点中、習作も結構あった。
けど習作でありながら、どれも惹きつけられる絵ばかり。凄い…。

中でも特に惹かれた作品は…
「人体による習作」(1949年)
「肖像のための習作」(1949年)
「肖像のための習作」(1953年)
「灰色の中の頭部」(1955年)
「肖像のための習作IV」(1953年)
「座る人物像(枢機卿〈すうききょう〉」(1955年)
警察の記録のように描かれた「ルシアン・フロイドの肖像のための三習作」(1965年)
「ジョージ・ダイアの三習作」(1969年)のモデルであるジョージ・ダイアとはベーコンの恋人のこと。
本作の2年後に自死。

「叫ぶ教皇の頭部のための習作」(1952年)も良かった。
この作品について、ベーコン自身は
「映画『戦艦ポチョムキン』(昔、レンタルビデオで観たな)の中の
オデッサの階段における虐殺シーンの泣き叫ぶ乳母も重要なイメージソースだった」
述べていたそうです。
観たことある映画の話が出てくるとなんだか勝手に嬉しくなってしまうわ。

それと、「走る犬のための習作」(1954年頃)という油彩画も展示されていたのだけど、
これに添えられていた解説によると、
「犬というモチーフ=ベーコンのトラウマでは」とのこと。
ベーコンは動物アレルギーからくる喘息に苦しめられていたそうです。
でも、父が馬の調教師で馬・犬は常に身近にいたために健康を脅かされ続けたらしい。

また、ベーコンは人物を描く時は写真をソースとしていたとあります。
モデルではなく写真を用いることで、
彼は人間の姿を遠慮なく歪めることができたのだそう。

そしてそして、ベーコンの作品に感銘受けたのは勿論だけれど、
もうひとつ特筆すべきは、ベーコンの絵画が着想源のひとつだったという
土方巽舞踏映像!!

▼「疱瘡譚(HO SO TAN)」
東京・アートシアター新宿文化
1972.10.25 公演全記録

これ、YouTubeで拾ってきた動画なんだけど、
あの時上映されていた映像ってこの動画内5分39秒辺りから入る踊りと同一・・・なのかな?
踊っているのは土方氏本人。立てない身体のあり方を表現。

私の稚拙な文章力では上手く表現できないんだけど、とにかく凄かったのですよ。
映像を観ている間、静かに沸々とこみあげてくるものがあって。

ベーコン展鑑賞後は、所蔵作品展も観てきました。
時間の都合でやや駆け足になっちゃったけど、中でも今回のイチバンは
私の好きなアンリ・ルソー
「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家たちを導く自由の女神」
(1905-1906年)でした。

******************************************

 三菱一号館美術館 
「奇跡のクラーク・コレクション — ルノワールとフランス絵画の傑作 —」

奇跡のクラーク・コレクションチラシ.jpg

三菱一号館美術館_01.jpg

三菱一号館美術館_02.jpg

一応、行ってきたよ〜。
あ、「一応」というのは、人多過ぎて会場内ギュウギュウ、
しかも時間の都合で実質30分弱程度しかいられずほぼ流し見。
とても「鑑賞した」とは言えないレベルだったから…(^^;

“アフター6”割引狙いで敢えて18時以降に行ったわけだけど、
おそらく他の来場者も「夜行けばお安くゆったり観れる」と
似たようなこと考えてたんでしょうね。
最終日ギリギリだったせいもあって会場前は大行列。
イイとこ取りのつもりが完全に裏目に出てしまったという…トホホ。
開催期間に余裕のあるうちにもっと早く行っとけよ自分!…ですよな(´・ω・`)

…まあ心残りはあるものの、印象派の人気はやっぱり凄いなあと再確認。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。