「ヘンリー・ダーガー展」 [*アート鑑賞]
仕事やらなんやらでなかなか記事が書けず
もう1ヶ月近くも経ってしまったけど、
先月4月26日(火)、ラフォーレミュージアム原宿で開催されていた
「ヘンリー・ダーガー展
アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く『非現実の王国で』」に
行って来ました。
Twitterでもちょっと書いたけど、
この企画展が開催されることを知った時は本当に嬉しかった。
確か2年位前だったかな?
とあるきっかけで彼のことを知り興味を持ったのだけど、
2007年に原美術館でダーガー展が開催されていたことを知り、
「ああ、もっと早く出会っていれば…!」と
当時は非常〜に悔しい思いをしたものです(泣)。
翌2008年には映画も公開されていたことを後から知って、
その時はソッコーでDVD買いました。
これもちゃんと映画館で観たかったなあ…。
そういった思い出(?)もあって
今回の企画は本当に嬉しくありがたかったのです。
原宿という場所柄もあるのだろうけど、
平日にもかかわらずかなりの混雑&盛況ぶり。
みんな、とても熱心に展示作品や上映映像に見入っていて、
彼や彼の作品に惹かれる人がいかに多いかを実感しました。
家族も友人もなく孤独な生涯を過ごしたダーガーが
数十年もの歳月を費やし、誰にも知られることなく綴り描き続けた
空想物語『非現実の王国で』の世界観に
私自身もたくさんの感銘・衝撃を受けて帰って来ました。
子供を奴隷として虐待する邪悪な「グランデリニアン」を相手に
壮絶な闘いを繰り広げる7人の無垢な少女「ヴィヴィアン・ガールズ」。
彼女たちの活躍ぶりが
15,000ページを超える原稿と数百枚に及ぶ挿絵の中で
躍動感たっぷりに描かれています。
純粋であるとともに強烈なまでの表現力!
実生活は寂しく味気ない日々だったろうけど、
自室に籠り、空想に耽り、思いのままに創作する時間だけが
彼にとっての拠りどころだったと聞きます。
人に見せるためでも、余暇の楽しみでもなく、生きることそのもの…。
一体、彼はどんな気持ちで何を思いながら
あの一大巨編を紡ぎ上げていったのだろう。
ダーガー自身は、自分が死んだ時には全ての持ちものを焼却してほしいと
願ったそうだけど(私ももし彼自身だったらきっとそう思うだろうな…)、
やはり私たちは彼の存在を
ただひたすら心の中に繋ぎ止めておきたいと思わずにはいられないんだ。
コメント 0