ひとり美術館ハシゴ【43-1】 [*アート鑑賞]
12月18日(木)は、パナソニック汐留ミュージアム、ヴァニラ画廊、
東京都庭園美術館、山種美術館に行って来ました。
●パナソニック汐留ミュージアムで「ジョルジョ・デ・キリコ」展を観る
(ぐるっとパスを利用)
↓
*徒歩で移動。
↓
●ヴァニラ画廊で「ゴーリー・ライブラリー」展を観る
↓
*東銀座駅から都営浅草線&大江戸線&南北線を乗り継いで白金台駅へ。
↓
●東京都庭園美術館で
「アーキテクツ/1933/shirokane アール・デコ建築をみる」を観る
(ぐるっとパスを利用)
↓
*目黒駅から山手線で恵比寿駅へ。
↓
●山種美術館で「東山魁夷と日本の四季」展を観る
(ぐるっとパスを利用)
…と、今回はこんな感じの流れで4館を回りました。
■ パナソニック汐留ミュージアム ■
「ジョルジョ・デ・キリコ—変遷と回帰」
ぐるっとパスのおかげで無料で鑑賞できた。ありがたい。
平日の日中にも関わらず、かなりの混雑っぷり。
20世紀を代表する画家、ジョルジョ・デ・キリコ。
パリ市立近代美術館に寄贈された未亡人イザベラ・デ・キリコの旧蔵品を中心に、
油彩画約45点、日本初公開のデッサン、彫刻なども加えた約100点を展示。
不安を掻き立てる長い影。
どことも知れない人気のない都市。
静寂、沈黙、孤独を表現するモチーフ。
事物を非現実的な環境に再構築。
様式もテーマも異なる前景と後景の合成は、画面をより虚構的世界に仕立て上げる。
そこから醸し出される、なんとも捉えがたい謎の雰囲気。
独特の幻想性、抒情性。
また、馬を題材にした絵が多いのも興味深かった。
デ・キリコにとって、馬は興味をそそる主題だったのだそう。
中でも特に気に入ったのは、
●『不安を与えるミューズたち』(1974年)
▼ポストカード『谷間の家具』(1966年)
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■ ヴァニラ画廊 ■
「濱中利信コレクション 〜エドワード・ゴーリーの世界2〜
『ゴーリー・ライブラリー』」
絵本作家エドワード・ゴーリーの作品展。
2回目となる今回は、ゴーリーの「本作り」にスポットが当てられています。
濱中利信氏のコレクションから貴重な書籍を中心に、
原画やポスター、グッズまで多数を展示。
魅惑のゴーリー・コレクションが再びヴァニラ画廊で堪能できる!
私が行った時は、他のお客さん、みんな若い女の子ばかり。
作家として食べていけるようになるまでは、
出版社のブック・デザイナーとして働いていたゴーリー。
タイポグラフィーや本全体のデザインまで手掛けていて、
そのどれもが可愛くて、カッコよくて、奇妙で異色、不吉で不気味。
なのにどこか品の良さを感じさせてくれる。
彼のイラストが魅力的なのはもちろんだけれど、
「本作り」との関わり方にも高い力量が存分に発揮されていて、
私たちはもう、その仕事ぶりにただただ見蕩れるばかりなのでした。
▼入場券購入時に貰える特別パンフレット
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ヴァニラ画廊の近くにある「ブロンデル」(の2階にあるカフェ)でしばしの休憩。
クリスマス間近なのもあって、ブッシュ・ド・ノエルをいただきました。
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■ 東京都庭園美術館 ■
「アーキテクツ/1933/shirokane アール・デコ建築をみる」
約3年間にわたる改修工事を経て、
2014年11月22日、待ちに待ったリニューアルオープン。
久々の「東京都庭園美術館 建物公開」です。
ホワイトキューブのギャラリーを備えた新館もお目見え。
フランスにてアール・デコの様式美に魅せられた朝香宮ご夫妻の熱意と、
日仏のデザイナー、技師、職人たちが総力を挙げて作り上げた、
芸術作品と言っても過言ではない建築物・旧朝香宮邸(1933〈昭和8〉年建設)。
現在は美術館として使われているけれど、内部の改造はごく僅か。
アール・デコ様式を正確に留め、
昭和初期の東京における文化受容の様相をうかがうことができる貴重な歴史的建造物として、
東京都の有形文化財にも指定されています。
庭美を訪れるのはもう何度目になるかなあ。
家具や内装が素敵&素晴らしいのは勿論なんだけど、今回初めて知ったことが。
通気口やラジエーター・カバーに施された、部屋ごとに異なるデザイン。
こんな細かいところにまで工夫がこらされているんだ!…と改めて感動。
※ラジエーター:
暖炉の中に入っているスチーム暖房器具。
暖炉の焚き口や壁面に設置された金属のパネルのようなものがラジエーター・カバー。
新館にも寄りたかったんだけど…時間が足りなかった><
また今度来た時にゆっくり見よう。
館内の写真は、別記事「ひとり美術館ハシゴ【43-2】」にて。
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■ 山種美術館 ■
「【特別展】没後15年記念 東山魁夷と日本の四季」
「昭和の国民画家」と称され、
日本各地の自然と風景を詩情豊かに描き続けた日本画家・東山魁夷(1908〜1999)。
本年は魁夷の没後15年にあたるそうで、彼の辿ってきた画業の道程&代表作を展示。
また、師である川合玉堂(かわい ぎょくどう)や結城素明(ゆうき そめい)、
東京美術学校の同窓生らの作品もあわせて観ることができます。
この企画展も楽しみにしてたんだけど、いろいろと時間が押してしまい・・・
閉館時間ギリギリの駆け足鑑賞になってしまった;;
観れただけでも良しとしておくか。
東山魁夷作品の中で特に気に入ったのは、
●『白い嶺』(1964〈昭和39〉年)
●『春静(はるしずか)』(1968〈昭和43〉年)
●『緑潤う』(1976〈昭和51〉年)
●『雪の後(ゆきのあと)』(1968〈昭和43〉年)
●『北山初雪(きたやまはつゆき)』(1968〈昭和43〉年)
※上のチラシ写真の上側の絵が「北山初雪」。
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