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ひとり美術館ハシゴ【21】 [*アート鑑賞]

6月19日(火)は、横浜美術館そごう美術館に行って来ました。
ここ数ヶ月、なんやかんやで都合合わなかったり体調崩したり。
美術館に行くのは結構久しぶりだったりします。
2月のポロック展ニューオータニ以来だもんなあ。
横浜、ちょっと遠いから最初は行こうかどうか迷ってたんだけど、
やはり観ておきたい企画展だったし、後で後悔したくないし。
この日は台風近づいていて天気が心配だったので早起きして行きました。
空が荒れる前に帰って来れて良かった〜。

横浜美術館「マックス・エルンスト フィギュア×スケープ」展を観る
ミューぽん割引を利用)
 ↓
*みなとみらい駅からみなとみらい線で横浜駅へ。
 徒歩でも行けそうな気したけど、初めての場所で迷子になったら嫌だし台風も心配だしで
 今回は電車を利用。
 ↓
そごう美術館「琳派・若冲と雅の世界」展を観る
ミューぽん割引を利用)

…と、今回はこんな感じの流れで2館の展覧会を回りました。


 横浜美術館 
「マックス・エルンスト フィギュア×スケープ 時代を超える像景」

マックス・エルンストチラシ.jpg

横浜美術館.jpg

横浜美術館を訪れるのは今回が初めて。
ここは大きいなー広いなー。中も綺麗だし。

コラージュの新しい表現領域を開拓し、
フロッタージュ、グラッタージュなどの新技法を創始したマックス・エルンスト
彼の作品には、人や天使、鳥や花といった動植物など、多様な像(フィギュア)が登場。
今回の趣旨は「シュルレアリスムの代表的な画家」という枠をいったん外し、
エルンストの芸術を「フィギュア」そして「風景(または空間)」というモチーフから
検証し直すことで彼独自の関心のありようを探り、
現代の日本人にとっていかなる意義をもつのかを明らかにしよう…というもの。
ここでは、コラージュ、油彩画、版画、彫刻など約150余点が展示されています。

(前の記事でも書いたけど)
「シュルレアリスム」は自分にとってはかなり難解で相変わらず理解はできてないんだけど、
でも惹かれる。大好き。
今回の企画展も開催前から楽しみにしていました。会期中に間に合って良かった…。

エルンストのことを知ったのは丸尾末広先生の漫画から。
「百頭女」の絵を元ネタにした話があって、
「これは誰の絵だろう?」と興味を持ち始めたのがきっかけでした。

一筆一筆に画家の思い入れが込められた絵画も凄いけど、
コラージュによる、
一見全く関係なさそうな別々のものを貼り合わせることで生まれる不思議な世界も魅力的。

先に書いた「百頭女」(1929年)の書籍も展示されていて嬉しかった。
他には「ニンフ・エコー」(1936年)、「ユークリッド」(1945年)も良かった。

あと、ブロンズの「王妃とチェスをする王」(1944年〈cast1954年(←って何だろ?)〉)って
昨年3月に国立新美術館で観た「シュルレアリスム展」
「クイーンとともにゲームをするキング」と同一作品…だよね?
「クイーン〜」の方は「制作年不詳」って出品リストに書かれていたけれど…)
同じくこの「シュルレアリスム展」で初めて観て良いなと思った「最後の森」(1960年)も
こちらで出展されていました。また逢えてまた嬉しい。

今回、エルンスト作品が良かったのは勿論だけど
「横浜美術館コレクション展」も素晴らしかった。
まさにシュルレアリスム作品大集合!!って感じで更に楽しませてもらいました。
うーん、横浜美術館って大きいだけあって所蔵品も凄いんだねえ。
デルヴォーキリコマグリットetc…ああもう堪らんです。
日本画展示部屋では松園御舟の絵も!


シュルレアリスム画家以外の作品も含めて印象的だったものをメモってきたので、
備忘録としてここに書いておこう。

【シュルレアリスムと写真】
ハンス・ベルメール「人形」ほか(ゼラチン・シルバー・プリント)
ジャック=アンドレ・ボワファール「無題」6点(ゼラチン・シルバー・プリント)
ジャック=アンドレ・ボワファールって初めて知ったけど、この人の写真もすごく良かった!
 他にマン・レイによるキリコミロを撮影した写真(ゼラチン・シルバー・プリント)もあり。

【海を越えた洋画家たち】
藤田嗣治「腕を上げた裸婦」(1923年)

【ドイツとロシアの20世紀前衛美術】
ヴァシリィ・カンディンスキー「網の中の赤」(1927年)
パウル・クレー「攻撃の素材・精神・象徴」(1922年)
あれ?展示では「攻撃の素材〜」だったけど、
 横美のPDF出品リストでは「攻撃の物質〜」になってるなあ。
アレクサンドル・ロトチェンコ「非具象彫刻」(1918年〈再制作1994年〉)
2010年に観た庭美「ロトチェンコ+ステパーノワ展」、良かったなあ〜。

【フランスとイギリスの近代美術】
フランシス・ベーコン「座像」(1961年)
パブロ・ピカソ「ひじかけ椅子で眠る女」(1927年)

【ダリとシュルレアリスムの部屋】
サルバドール・ダリ「ニュートンを讃えて」(ブロンズ/1969年)、
 「幻想的、暁、英雄的正午、夕べ」(1942年)
「幻想的、暁、英雄的正午、夕べ」はとにかくデカい!圧倒された!
  ダリ作品は他に油彩画や素描などもあり。
ポール・デルヴォー「階段」(1948年)
ルネ・マグリット「王様の美術館」(1966年)、「青春の泉」(1957-1958年)、
ジョアン・ミロ「花と蝶」(1922-1923年)
イヴ・タンギー「風のアルファベット」(1944年)

【春から夏へ:日本美術院の画家たちを中心に】
上村松園「楚蓮香之図(それんこうのず)(1924〈大正13〉年頃)
速水御舟「麦」(1925〈大正14〉年)

【イサム・ノグチと20世紀の彫刻】
20世紀の彫刻グランドギャラリーの2階から1階に降りる階段のところにあり。
ジョルジオ・デ・キリコ「ヘクトルとアンドロマケ」(ブロンズ/1973年)
ルネ・マグリット「レカミエ夫人」(ブロンズ/1967年)
「レカミエ夫人」「シュルレアリスム展」で観たな。
ジョアン・ミロ「女の頭部」(ブロンズ/1975年)
サルバドール・ダリ「バラの頭の女性」(1980年〈1981年鋳造〉)


鑑賞後は美術館内併設の「Café 小倉山」で昼食。
マックス・エルンスト展にちなんだ限定メニュー「バジリコヴルストのジャーマンサンド
(じゃがいもスープ付)」をいただきました。
飲み物はブレンドコーヒーにしたけど、
せっかくだから「ブルーオレンジソーダ」も注文してみれば良かったな。

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 そごう美術館 
「京都 細見美術館展 Part II 琳派・若冲と雅の世界」

琳派・若冲と雅の世界チラシ.jpg

そごう美術館.jpg

横浜美術館の次はそごう横浜店の6階にあるそごう美術館へ。
ここへ来たのも今回が初めて。

細見美術館は、
大阪の実業家であった故 細見良(初代古香庵)にはじまる細見家3代のコレクションをもとに、
1998年3月京都の岡崎に開館しました。
その収蔵品は、縄文・弥生時代の土器に始まり、仏教・神道美術、絵巻物や水墨画、
茶の湯釜などの工芸品、近世の風俗画、琳派や伊藤若冲を中心とする江戸絵画など、
日本美術のほぼ全ての分野、時代を網羅し、国内外で高い評価を得ています。
本年そごう美術館では、「京都 細見美術館展」を2期に分けて開催し、
同コレクションから厳選した作品の数々をご紹介いたします。
Part II の本展覧会では、近年人気を集める琳派と伊藤若冲の作品を中心に、
コレクションの根幹をなす仏教美術、平安王朝の雅な世界を伝える物語絵、
桃山から江戸期の意匠美を示す工芸品や能装束など約70点を展覧します。
(「京都 細見美術館展 Part II 琳派・若冲と雅の世界」チラシの紹介テキストより抜粋)

こちらの展示内容も見応えあって素晴らしかった。
一番の目当てだった伊藤若冲酒井抱一
館内あんまり混んでなかったおかげで存分に堪能させていただきました。
他の作品も彩色の美しさにハッとさせられたり。

特に良いなと思ったのは…
「六観音像のうち十一面観音、如意輪観音」(5幅のうち2幅/鎌倉後期)
喜多川相説「秋草図屏風」(江戸前期)
酒井抱一「槇に秋草図屏風」(江戸後期)、「青面金剛像」(文化14〈1817〉年)
鈴木其一「紫陽花四季草花図」(江戸後期)
琳派(作者不詳)「四季草花草虫図屏風」(江戸後期)
伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」(寛政9〈1797〉年)

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久しぶりの美術館巡り、かなり歩きまくって疲れたけど、どちらも行って本当に良かった!

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